著者:安東亜音人
定価:¥2200+消費税(消費税3%時代(^^;))
刊行:新紀元社
戦前日本における軍用機の解説を扱った本で、その創生期から太平洋戦争における敗戦までの期間、どのような飛行機が計画され、使用されていったかが書かれています。
開発畑の人でも実戦部隊の人でもなく、軍用機の研究を行ってきた人が書いているため、飛行機の特徴と様々な興味深いエピソードとが適度に纏められており、非常に読みやすい内容となっています。そのため、軍用機を調べてみようかな? と思っている初心者の方に特にお奨めです。純粋に、解説の文章を書こうとしてる人の参考書としても大変役に立ちます。
日本における軍用航空機の発展の流れを簡潔に把握するのには最適です。
そういった次第で、どちらかといえばマクロ視点から日本の軍用機を眺めるときの必読書であると言えます。
逆に言えば、○○型と××型の違いは? というようなミクロ面における正確なデータを調べたい人にはあまり有益な本ではないでしょう。
あと、実戦参加出来なかった機体は簡単なデータのみとすっぱり切り落とされていますが、戦前日本の飛行機メーカーの傾向や開発機リストなどもあり、十分お釣りが来るほどの内容が付いています。
解説が面白いこともあり、総合点では新紀元社から出ている軍事関係の本の中でも白眉であることは間違いないでしょう。値段分の価値は十分にあると思います。
著者:高橋辰雄
定価:¥2000+消費税(消費税3%時代(^^;))
刊行:図書出版社
太平洋戦争における日本船舶の船団護衛における様々なエピソードをとりまとめた本です。
一般にこの種の本は海軍側の資料や手記を整理したもの、あるいは商船側から航海中に起こった出来事を集めたもののような編集した立場に偏ったものとなりがちですが、この本は陸軍・海軍・商船乗員・民間人・軍属といった様々な立場の人間が経験したエピソードをまんべんなく集められており、様々な視点から海上護衛の話を知ることが出来ます。
太平洋戦争における日本の海上護衛について雰囲気を感じるには最適な本ではないでしょうか。
ただ、現在絶版だそうで(2001/9/14)、見ようと思ったら古書を探すか図書館を廻るくらいしか方法はないようです。