■駆 逐 艦 |
単独で惑星間航行能力を有するもっとも最小な軍艦。実質的に艦隊における最小作戦単位として運用される小型艦である。
小型であるため積載量的な限界から武装と装甲は貧弱であるが、その分加速能力に優れている。そのため、複数でチームを組んで積極的な機動を行い敵艦と交戦する。
小型であるが故に砲撃能力が高くない駆逐艦の主任務は、艦隊における主力艦の護衛である。しかし近年、アサルト・ドローンの小型化によりそれまで搭載の不可能だった駆逐艦にも搭載されるようになったことから対艦攻撃力が飛躍的に上昇した。その結果、現在では艦隊戦時における駆逐艦の役割は護衛から対艦攻撃へと変化している。
■駆逐艦(艦隊型駆逐艦) |
DESTROYER/DD |
軍事関係者の間で艦隊型駆逐艦と呼ばれているこの種の艦は、対艦攻撃力に優れ、単独で惑星間航行が可能な能力を持ち、艦隊に随伴して作戦行動を起こす小型の戦闘艦である。
元々駆逐艦は惑星近傍の戦闘において局地防衛用の水雷艇(アサルト・ドローンを搭載した惑星間航行能力を有しない小型艦)による襲撃を撃退する目的で建造された。
そのため、建造当初の駆逐艦はAD兵器を搭載しない、水雷艇を撃退できる最低限の速力と火力しか持たない小型艦でしかなかった。
しかし、技術的な進歩によりAD兵器が小型化したことで駆逐艦にも同種兵器の搭載が可能となったことから、それまで護衛兵力であった駆逐艦は艦隊において一躍“高速重打撃艦”としての役割を担うようになり、宇宙軍における重要度が増すこととなったのである。
アサルト・ドローンを搭載した駆逐艦が星系で初めて竣工したのはデュミナス戦役の始まる2年前のE.G.1022年のことで、建造国はラファリエスであった。このとき建造されたのが〈シンゴラ〉級駆逐艦(最後期型)である。
これを受けて各国もAD兵器搭載型駆逐艦の建造を開始した。
AD兵器搭載型駆逐艦は、建造コストが巡洋艦以上の大型艦よりずっと安価であるにもかかわらず、十分な攻撃力を有する。そのため各国では、フェール条約の締結後も改装や新造といった方法で次々とAD兵器を搭載していない従来型の駆逐艦からAD兵器を搭載した新型駆逐艦に置き換えを行っている。
■護衛駆逐艦 |
FRIGATE/DE |
小型駆逐艦、あるいはエスコート・デストロイヤーと呼ばれることもある小型艦。一般に、惑星間航行が可能な軍艦の中では最も小型かつ低速である。
火力、防御力、機動力に劣るという欠点を持つ護衛駆逐艦の最大の長所は、小型艦のため単艦あたりの建造コストが安く量産がきくことにある。
そのため、戦時中は多数の艦艇が必要とされる星間交通線の維持──輸送船団の護衛──に投入されている。同様の理由から、数を必要とする自国領域の警備に使用される事も多い。
武装が貧弱な護衛駆逐艦は、デュミナス戦役や第二次星系大戦において多数の戦没艦を出した。そのほとんどは補給船団を護衛する過程で生じている。
護衛駆逐艦は戦争の継続に必須の艦艇であり、参戦した全ての国で大戦を通して建造され続け、自国船団の守り手として最後まで奮闘した。戦後、平和が訪れたことで船団護衛の必要が消滅したため、その多くは解体されたが、一部は現在でも警備のために運用が続けられている。