帝国海軍が使用した航空魚雷
〜帝国海軍航空魚雷表〜

 以下の内容は文末に上げた資料から纏めたものです。そのため資料により混乱や違いが見られる事もあるため、「おそらくはこういう事であろう」という想像の元に纏めてあります。そのため、実際と異なる部分も多々あると思います。ご了承下さい。
 なお、未記入は不明なものです。
魚雷名 直径
(p)
全長
(m)
重量
(s)
炸薬量
(s)
雷速
(kt)
射程
(m)
原動力 最大射入速度
(kt)
最大射入高度
(m)
注釈
九一式航空魚雷 45 5.27 785 149?
150?
44
42
36
1500
2000
3000
空気 260    
九一式航空魚雷改一 45 5.47 838 149.5?
170?
42 2000 空気 260
120
 
80
マレー沖で使用
九四式航空魚雷一型 53.3 6.7  1468  350 45 4000 酸素     大型機用。取り扱い困難につき生産は95本で終了
九四式航空魚雷二型 45 5.47 810 200 45
43
2000
3000
酸素     中・小型機用。取り扱い困難につき生産は48本で終了
九一式航空魚雷改二 45 5.47 838
840
204?
205?
42 2000 空気 260
224
 
200
真珠湾、マレー沖で使用
九一式航空魚雷改三 45 5.47 840?
852?
235?
240?
42 2000 空気 260
245
 
200
炸薬量は同一資料内にても混乱
九一式航空魚雷改三(改) 45 5.47 858 240 42 2000 空気 300   天山艦攻で使用可能なように改三型の強度を強化したもの
九一式航空魚雷改三(強) 45 5.47 858 240 42 1500 空気 350   改三型(改)の強度を強化したもの
(仮称)九一式航空魚雷改四 45           空気     航空魚雷の所轄が航空本部に移転したため開発中止。量産に適さないとの伝あり
九一式航空魚雷改四(強) 45   928 308     空気     九一式航空魚雷改三(強)の弾頭を改四頭部としたもの? 射入速度は恐らく400kt
九一式航空魚雷改五(改三頭部) 45 5.47   235?
240?
    空気 350
400?
  射入速度は恐らく400kt
九一式航空魚雷改六 45           空気 350
400?
  九一式航空魚雷改三(強)の弾頭を改六頭部としたもの。射入速度は恐らく400kt
九一式航空魚雷改五(改七頭部) 45 5.71 1060 420 41 1500 空気 350
400?
  射入速度は恐らく400kt。九一式航空魚雷改七と呼ばれることもある
四式空中魚雷一型 45           空気     九一式航空魚雷の名称を変更したもの?
四式空中魚雷二型 45 5.27 984 305 42 1500 空気 400   九一式航空魚雷改三の戦時量産型?
四式空中魚雷四型 45 5.715?
5.71 ?
1108 418 42 1500 空気 400   九一式航空魚雷改五(改七頭部)の戦時量産型?
<試作魚雷>  
M魚雷 58 7.1 2060 750 50 2500       主機関は星型。連山陸攻に搭載予定
N魚雷 58   2040 750 50 2500       主機関は射盤式。連山陸攻に搭載予定
P魚雷一型 50   1200 470 52 1500       音響追尾?
P魚雷二型 50   1400 590 52 1500       音響追尾?
空中魚雷一型 45   735 235 30 400       詳しいことは不明
空中魚雷二型 45   692 260 20* 100 無し     主機関は無し。存速20kt。詳しい事は不明

■ 注釈及び想像
 [注釈]は文献から(ほぼ)確実な事。[予想]は文献から予想したものです。そのため、[想像]の内容は誤っている可能性があります。ご注意ください

注釈1: 特に記さない限り、帝国海軍が制作した航空魚雷は全て主機械に星形八気筒を採用している。
注釈2: 九一式航空魚雷では訓練用と実戦用の区別が無い(実戦用は炸薬を魚雷頭部詰めており、訓練用は炸薬の代わりにバラストを詰めている)。
注釈3: 表の「原動力」は主機械に送り込まれる混合ガスのことで、「空気」とあるのは「空気とガソリンの混合気体」の事である。同様に、「酸素」は「酸素とガソリンの混合気体」の事。
予想1: 九一式航空魚雷は戦争末期、四式空中魚雷一型に名称変更が行われた可能性がある。
予想2: 四式空中魚雷二型は九一式航空魚雷改三(強)の戦時量産型と考えて良いと思われる(全て実戦用であり、訓練用は存在しない)。
同様に、四式空中魚雷四型は九一式航空魚雷改五の戦時量産型と考えて良いであろう。
予想3: 発見できなかった四式空中魚雷三型であるが、これは二型の訓練用魚雷であろうか? 同様に、五型もあっては四型の訓練用魚雷として存在する?


参考文献:「海軍水雷史」
「航空技術の全貌」原書房