■ヤマト2以降の地球防衛軍のドクトリンについて
 〜 doctrine of Thera defense forces

 宇宙戦艦ヤマトにおける軍事小ネタです。

 宇宙戦艦ヤマトに出てくる地球防衛軍は、母なる星地球を守る軍隊であります。作品中では物語の都合上、善戦するも最後には敵に撃滅され、そこをヤマトに救ってもらうという悲しい役割を期待されてる組織ですが、様々な分野でゲーム化された防衛軍はかなりの戦力としてデザインされている事が多いようです。
 ここではそんな地球防衛軍(白色彗星帝国以降)について考えてみます。
 なお、資料としてはTV本編及びPS2ヤマト3部作を下敷きにしています。

地球防衛軍は防衛型軍隊か?

 地球防衛軍は一体どういう意図の元で艦艇整備を行っているか考えてみると、ガミラス戦以後再建された防衛軍の中核戦力として整備されたのは無人コントロール艦隊と拡散波動砲装備の戦艦です。
 無人艦隊は軍の人員不足を補うために、拡散波動砲は敵艦隊を一気になぎ払うために採用されたようですが、それ以外にも理由はありそうです。それについて考えてみます。

 まず、無人艦隊ですが、この種の艦は指揮艦からの指令系統がしっかりしていないと満足な戦力になりません。また、機械により自動制御されているため想定外の出来事に遭遇した場合の対応能力は乗務員の居る艦と比べてどうしても劣ります。

 また、拡散波動砲は爆発点を中心に広い攻撃範囲を有しますが咄嗟遭遇戦時などに陥った場合波動砲を充填する前に被害範囲の内側に踏み込まれかねず、効果的に殲滅するどころか、逆に波動砲を打てないまま敵と殴り合わねばならない可能性も高いのです。逆に、収束型波動砲なら遠近問わず一定の攻撃範囲を有するため、距離による死角は無く、どのような環境でも一撃必殺の戦力として当てにできます。
 つまり、拡散波動砲は相手を待ちかまえている状況で運用する事を念頭に整備された兵器だといえます。

 以上のような長所短所を考えた場合、地球防衛艦隊が十全な戦力を発揮するには、地形に明るく、索敵網が重厚で、不慮の事態の起きにくいホームグラウンド──太陽系で戦闘しなければならないのです。

 以上のことから考慮するに、地球防衛軍は間違いなく自国防衛だけを主眼に置いた軍隊だと言えると思います。


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