■ ジオン軍のコロニー攻撃の是非
Attack to Space Colony in "1 Year's War"

 ガンダムにおける軍事小ネタ集です。ゆえに内容は徒然。

■ 初めに 〜なぜそれは起こったか?〜

 一年戦争初期、ジオン軍は各地のコロニーに対しABC兵器を使った無差別虐殺を敢行しています。自らもスペースノイドであったジオンが、なぜ地球ではなくコロニーに対しこれほどの行動を起こしたのでしょうか? これについて少し考えてみたいと思います。

■ ジオンの作戦構想 〜開戦前夜〜

 ジオン公国のあるサイド3は地球からもっとも遠くにあるコロニーであり、かつ、それなりの経済的自立が可能なコロニーでした。しかし、総合的な国力では連邦には勝てません。
 こうした条件から、ジオンでは独立を維持するための軍事計画を防衛作戦主体に立てたものと考えられます。

 ですが、コロニーは泊地としてならいざ知らず、拠点にするにはあまりに脆弱であり、近海に戦闘能力のある敵艦艇を近づけただけで降伏を余儀されかねないという欠点が存在していました。

 以上のようなことからジオン軍は、イニシアティブを握るためにこちらから作戦行動を行うことは数の上からできず、かつ、防衛時にはすべての敵を殲滅しなければならないという無茶な条件に縛られた作戦計画を立てる羽目になります。

 そこで、相手にこちらも決戦を望んでいるという考えを信じさせ、纏まったところをまとめて叩くという考えのもとに、迎撃作戦を計画したのではないかと思われます(注1)。
 戦前から整備が進められていた月−ソロモン−ア・バオア・クーをつないだ絶対国防圏構想も、地球から(あるいはルナ2から)やってくる連邦軍をここで迎撃するには都合がよいでしょう。

注1:迎撃作戦を計画したのではないかと……
 公国軍においてMSの最初の訓練が行われたのがアステロイド地帯というのも興味深い事実だと思われます。このような場所ではMSのような兵器の方が戦闘機などよりも作戦活動を行うには最適です。

 ですが、連邦軍が遙か地球からまっすぐにジオン本国に来てくれるとは難しいものがあります。少なくとも、途中でいくつかの補給を行うであろう事は間違いないでしょう。
 このとき、ジオンに近いサイドで連邦に艦隊の補給などされた場合、将兵の疲労回復などがあり、ジオンの迎撃戦時における勝率は大きく下がることになります。

 つまり、確保も出来ず、かといって相手に使われたらまずいサイド3以外のコロニーは、出来れば中立でいてほしいというのがジオンの軍事的立場であると思えます。
 しかし、全面戦争を決意した以上、ジオンとしてはこれらのサイドをなんとかしないといけません。

 そこで、政治的にはスペースノイドの主張を掲げる立場にあるにもかかわらず、中立の意思表示を行わなかったコロニーを消滅させることで軍事的安全を得ようと計画したのではないでしょうか。

 少なくとも、これによって他サイドでの連邦とジオンの戦闘は大規模なものは起こらず、戦線の一本化が出来たこともあり、軍事的にはジオン有利に事が運んでいます。

 自国の安全のために四〇億人を殺す。これはよくある話です。戦後、ジオン将兵がよく言っている「あれは毒ガスとは知らなかった」とは、いえないんじゃないでしょうか(^^;)。


あくまでもこの話は管理人(水上)の個人的解釈によるものです。バンダイのオフィシャル見解ではありませんので話半分で眺めてください。
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